工具器具備品の基本を知ろう
まずは、言葉の意味から整理していきましょう。
工具器具備品の読み方は(こうぐきぐびひん)です。名前の通り次の3つの要素が合わさった勘定科目です。
- 工具:作業や加工に使う道具(電動工具、測量機器など)
- 器具:業務をサポートする機器(測定器、測定機器など)
- 備品:事務所や現場で長く使う家具や電化製品(デスク、パソコン、エアコンなど)
これらは購入した年に一括で全額を経費にするのではなく、何年かに分けて少しずつ経費にしていく「減価償却(げんかしょうきゃく)」というルールを使って計算するのが基本となります。
*全部を減価償却として処理しなくてはならないわけではありません。詳しく見ていきましょう。
建設業で「工具器具備品」に当たる具体的なもの一覧
建設現場や会社運営において、具体的にどのようなものが工具器具備品になるのか見ていきましょう!
1. 現場で使う電動工具・測定機器(工具・器具)
現場で使う道具類は、購入金額が10万円以上であれば「工具器具備品」になります。
- 電動工具:インパクトドライバー、ハンマードリル、ディスクグラインダー、丸ノコなど(※高価なプロ仕様製品)
- 大型作業機器:高圧洗浄機、発電機、コンプレッサー、溶接機など
- 測量・測定機器:レーザー墨出し器、オートレベル、トータルステーションなど
※1個あたりの価格が10万円未満の安い工具(ドライバーセットやヘルメット、安価な手工具など)は、工具器具備品ではなく「消耗品費」として買った年に全額経費処理できます!
これ結構間違えてしまいがちなので注意したいところですね。金額によって違うんです。私も最初勘違いして何でも減価償却にしないといけないのかと思っていました。 逆になんでも消耗品費として一括で経費としてしまうという間違いもあると思うので注意しましょう。
2. 事務所や現場事務所で使う設備・電化製品(備品)
現場用だけでなく、会社や現場事務所に配置する備品も対象になります。
- OA機器・家電:パソコン、プリンター、複合機、シュレッダーなど
- 空調・電気機器:事務所用のエアコン、スポットクーラー、大型ヒーターなど
- オフィス家具:事務机(デスク)、オフィスチェア、応接セット、書庫、キャビネットなど
買った金額で変わる!経理処理の3つのルール
先ほどもちょっと書きましたが、工具器具備品を処理する際、一番大切なのが「購入金額(1個または1セットあたりの金額)」です。金額によって経理のやり方が3パターンに分かれます。
1. 10万円未満:「消耗品費」で一括経費
10万円未満で購入した工具や備品は、工具器具備品ではなく「消耗品費」として、買った年に全額を経費に落とすことができます。
2. 10万円以上20万円未満:「一括償却資産」
10万円以上20万円未満のものは、「一括償却資産」として金額の3分の1ずつを3年間にわたって均等に経費化することができます。耐用年数に関わらず3年で落とせるため、処理がシンプルになります。
3. 30万円未満(青色申告の特例):「少額減価償却資産」
中小企業や個人事業主(青色申告者)であれば、一番知っておきたいのがこの特例です! 1個あたり30万円未満のものであれば、買った年に全額を一括で経費に計上できます(※年間合計300万円まで)。
例えば、20万円のレーザー墨出し器を購入した場合、本来なら何年かに分けて経費化しますが、この特例を使えば購入した年の経費にまとめて計上できるため、大きな節税効果があります。
私が所属する会社も中小企業で青色申告、しかもケチなので高いものはほとんど買わないため、社用車とパソコン以外はこの特例に当てはまり工具器具備品に当てはまるようなほとんどの物を消耗品費で仕訳できています。
4. 30万円以上:本来の減価償却
30万円以上の高額な工具や設備は、国が定めた「法定耐用年数(法律で決められた使用期間)」に従って、毎年少しずつ減価償却していきます。
- 電動工具などの金属加工機械:耐用年数 3〜6年程度
- パソコン:耐用年数 4年
- 事務机(金属製):耐用年数 15年
耐用年数は法律で細かく決まっていますので、迷ったときは税理士さんや会計ソフトの案内に沿って設定しましょう。また、国税庁のHPにも主な耐用年数が表にまとまっていてPDFでダウンロードできるので(もちろん無料)それを確認するのも確実ですね。
まとめ:工具器具備品を正しく処理して節税につなげよう!
今回は、建設業のバックオフィスで頻繁に登場する「工具器具備品(こうぐきぐびひん)」について解説しました。
- 工具器具備品とは:1年以上使う10万円以上の工具・機器・家具・家電などの資産
- 建設業の具体例:インパクトドライバー、コンプレッサー、レーザー墨出し器、パソコン、エアコンなど
- 経理のポイント:青色申告なら「30万円未満」の特例を使って買った年に一括経費化(節税)できる!
うちの会社な内装業なので、あまり高額な工具は使いませんが、土木関係の会社さんだと現場で使う工具や機器が高額になることも多いため、購入金額に応じた正しい処理を知っておきましょう。

