家事按分とは「仕事で使った分だけ経費にする」ことです
「仕事でもプライベートでも使っている車は、全部経費にしていいの?」
「仕事用のスマホだけど、家族とも連絡を取っている。」
建設業の個人事業主や一人親方は特にわざわざ事業用で別の物を用意する(特に携帯など)は結構ハードルが高いですよね。
結論から言うと、仕事とプライベートの両方で使っているものは、仕事で使った分だけを経費にするのが基本です。
この考え方を「家事按分」(読み方は かじあんぶん )といいます。
難しそうに聞こえますが、「仕事で使った割合だけ経費にする」というシンプルなルールです。
家事按分が必要になるのはどんなもの?
建設業では、次のようなものが家事按分の対象になることが多いと思います。
自動車
現場へ行くために使う車でも、休日に買い物や家族との外出に使うことがあります。
このような場合は、仕事で使った割合だけを経費にします。
例えば、
- 仕事で80%
- プライベートで20%
使用しているのであれば、ガソリン代や車検代なども80%を経費として考えるのが一般的です。
携帯電話
取引先との連絡や現場とのやり取りに使う一方で、家族や友人との連絡にも使うことがあります。
仕事と私用が混ざる場合は、使用状況に応じて按分します。
インターネット
見積書の作成やメールの送受信、クラウド会計ソフトの利用など、仕事にもインターネットを使います。
一方で動画を見たり、趣味で利用したりすることもあるでしょう。
この場合も、仕事で使った割合を経費にできます。
自宅兼事務所
自宅の一室を事務所として使っている場合は、家賃や電気代などの一部を経費にできることがあります。
例えば、
- 自宅全体が100㎡
- 事務所スペースが20㎡
であれば、面積を基準に20%を経費とする方法が考えられます。
家事按分の割合に決まりはある?
「仕事で何%使ったら経費になるの?」
と疑問に思う方も多いでしょう。
実は、税法で「70%ならOK」「50%ならダメ」といった明確な基準はありません。
大切なのは、合理的に説明できる割合であることです。
例えば、
- 走行距離
- 使用時間
- 使用日数
- 面積
など、実際の利用状況に合わせて決める方法が一般的です。
「なんとなく80%」ではなく、自分なりの根拠を説明できるようにしておくと安心です。
工具も家事按分が必要?
「仕事用のインパクトドライバーを休日にDIYで使いました。」
このようなケースもあります。
しかし、年に数回程度の私的利用であれば、工具まで細かく家事按分するケースはあまり多くありません。
一方で、仕事よりも趣味で使うことが多いのであれば、事業に必要な道具とは言いにくくなります。
工具については、「仕事で使うことを目的として購入したものか」がポイントになります。
家事按分は法人では基本的に使わない
ここは意外と間違えやすいポイントです。
家事按分は、個人事業主特有の考え方です。といいますか、法人の場合個人とは違い、会社と社長含め社内の人間・は全く区別されますので、家事という言葉が当てはまりません。という感じですね。
実際法人でも会社の物を私用で使うケースはたまにあると思いますので、そういった場合も基本的なことは同じで、私用で使った分は経費になりません。処理方法がちょっと違うという感じになります。この辺はちょっと難しいのでまた別記事で解説したいと思います
簡単に説明すると、会社の車や工具を私的に使った場合は、「家事按分」ではなく、
- 私的利用
- 使用料を会社へ支払う
- 給与や役員への経済的利益
など、別の考え方で処理することになります。
法人成りしたばかりの方は、この違いを覚えておくと安心です。ちょっとややこしいですが、それほど大きな違いはないと思います。
ともかく個人でも法人でも、私的利用と仕事で使った分の割合を根拠を示せる形ではっきりさせ、私用分は経費に入れない
という事が重要です。
家事按分で気を付けたいポイント
家事按分は、「経費を増やすための制度」ではありません。
あくまでも、仕事で使った分だけを適正に経費へ計上するための考え方です。
割合を高くしすぎたり、根拠がないまま計上したりすると、税務調査で説明を求められることがあります。
普段から、
- 仕事でどのくらい使っているか
- なぜその割合にしたのか
を説明できるようにしておくことが大切です。
まとめ
家事按分とは、仕事とプライベートの両方で使うものについて、仕事で使った分だけを経費にする方法です。
建設業では、
- 車
- 携帯電話
- インターネット
- 自宅兼事務所
などで家事按分を行うケースがよくあります。
一方で、工具については、年に数回程度の私的利用であれば細かく家事按分するケースは多くありません。
また、家事按分は個人事業主の考え方であり、法人では基本的に適用されません。
「仕事とプライベートが混ざっているけれど、どう処理すればいいんだろう?」と迷ったら、「仕事で使った割合を合理的に説明できるか」を基準に考えると判断しやすくなります。
なお、法人で社用車や工具を私的に使った場合は、家事按分とは異なる考え方になります。法人成りを予定している方は、その違いも知っておくと安心です。

