貸借料(たいしゃくりょう)の基本を知ろう
まずは、貸借料の基本的な考え方から整理していきましょう。
ビジネスで何かを借りたときに支払う代金は、契約の形態によって使う勘定科目が変わります。その中でも「一時的に借りた機械、車両、道具、土地、建物などの利用料」を管理するのが貸借料です。
日頃馴染みのある言葉で言い換えると、次のような費用が貸借料に含まれます。
会計ソフトによっては「賃借料(ちんしゃくりょう)」など、名前になっていることもありますが、意味や役割は基本的に同じですので安心してくださいね。
建設業で「貸借料」に当たる具体的なもの一覧
では、建築業だと、具体的にどのような費用が貸借料になるのでしょうか?代表的な例をカテゴリ別にご紹介します。あくまでも一例です。
1. 建設機械や車両の短期レンタル代
現場でしか使わない特殊な機械や重機を、必要な期間だけレンタル会社から借りた場合は「貸借料」を使って仕訳できます。
- 重機類:ユンボ(バックホウ)、高所作業車、ロードローラーなど
- 作業機器:発電機、コンプレッサー、プレート(締め固め機)など
- 搬送車両:ダンプカー、トラック、散水車など
ただし、必ずしも貸借料の勘定科目で仕分けなくてはならないというわけではなく、会社によっては車両費などで仕訳ける場合もあると思います。
いずれにせよ、一度決めた仕分けは継続してその仕訳を使いましょう。
2. 仮設資材置き場や安全設備のレンタル代
工事期間中だけ一時的に設置する仮設物や設備にかかる費用も貸借料として処理します。
- 仮設足場資材:単管パイプ、クランプ、足場板など
- 現場設備:仮設トイレ、仮設囲い、仮設フェンス、朝顔(防護棚)など
- 安全備品:敷鉄板、カラーコーン、工事用看板など
3. 現場事務所や駐車場の借上代
現場の近くに期間限定で用意するスペースの費用も貸借料に含まれます。
- 現場事務所・プレハブのレンタル代
- 資材置き場として一時的に借りた土地の賃料
*土地の賃料については地代家賃の勘定科目を使う会社が多いと思います。(うちの会社もそうです。)一時的に借りた土地なら貸借料を使うというところもあるようですが、たいてい地代家賃。
一時的な駐車場なら旅費交通費を使う会社が多いと思います。
ここが重要!「貸借料」と「リース料」の違いとは?
さて、ここで多くの方がつまずきやすい「リース料」との違いについて解説します。
どちらも「お金を払って物を借りる」という点は同じですが、契約の期間や仕組みが大きく異なるため、経理上は別々の科目として処理するのが一般的です。
1. 貸借料(レンタル)の特徴
- 期間:日単位、週単位、月単位など「短期」
- 中途解約:いつでも解約・返却が可能
- 対象物:レンタル会社がすでに所有している在庫(中古品を含む)
- 代表例:現場で今週だけ使うユンボ、2ヶ月間だけ置く仮設トイレ
2. リース料(リース契約)の特徴
- 期間:3年〜7年など「長期」
- 中途解約:原則として途中で解約できない
- 対象物:自分が選んだ新品の機器を、リース会社が代わりに買い取って貸してくれる
- 代表例:事務所で5年間使う複合機(コピー機)、数年間乗り続ける営業車やトラック
このように、「現場ごとに数日〜数ヶ月だけ借りるもの」は貸借料(レンタル料)、「年単位で長期契約して毎月定額を払っていくもの」はリース料という科目で分けて帳簿につけるという感じです。
間違いやすい!その他の類似科目との注意点
「リース料」以外にも迷いやすいポイントがありますので、あわせてチェックしておきましょう。
運搬費が含まれている場合
重機をレンタルした際、請求書に「機械のレンタル代(貸借料)」だけでなく「現場までの運搬費(回送費)」が一緒に書かれていることがあります。
これらはまとめて「貸借料」として処理しても大丈夫ですが、金額が大きい場合は運搬費を「支払運賃」や「外注費」として分けて計上することもあります。請求書の内訳をしっかり確認する癖をつけておくと良いですね!
まとめ:貸借料とリース料を区別して経理をスマートに!
今回は、建設業のバックオフィスで欠かせない「貸借料(たいしゃくりょう)」について解説しました。
- 貸借料とは:現場で一時的に使う重機や仮設設備などを「短期レンタル」した費用
- 建設業の具体例:ユンボのレンタル代、仮設足場・仮設トイレ、現場用駐車場代など
- リース料との違い:短期で途中解約できるものが「貸借料」、年単位の長期契約で新品を借りるものが「リース料」
建設業は現場ごとに借りる機材や設備が多く、契約形態も様々です。
