インボイス制度とは?一人親方や事務担当者が知っておくべき基本をわかりやすく解説!

インボイス制度始まってから少し時間が経ちましたが、皆さん、しっかり対応できていますでしょうか。

元請けの会社から「インボイスの登録した?」とやや圧に近い声掛けに困っている一人親方さんや、「経理処理がどう変わるかよくわからない」と不安に思っている事務担当者さんも多いのではないでしょうか。

実際、うちの会社の下請けさんとして仕事を請け負ってくださっていた元一人親方さんはインボイスが始まることで、もともと免税事業者だったことから消費税の申告なども行ったことが無く、不安だという事もあり、一人親方という状況から環境を変えたいと、個人事業をやめ、うちの会社に入社してくださった方もいます。

もちろんインボイスだけが理由ではないと思いますが

「なんだか難しそう」と感じるかた多いと思います。バックオフィス全般を担当している私もとても不安で、法人会の研修や他の組合で開いてくださった研修など何度も受けて説明を受けました。

今回は、経理などを行っているバックオフィスのお仕事を担当する方が絶対に知っておきたい「インボイス制度の基本」について、専門用語をできるだけ使わずに、具体的な例を交えながらわかりやすく解説していきます。

1. 結論:インボイスとは「登録番号が書かれた請求書」のこと

インボイスは、正式には「適格請求書(てきかくせいきゅうしょ)」と呼びます。漢字が並ぶと難しく見えますが、実は普段やり取りしている請求書と大きく違うわけではありません。

一番の違いは、請求書の中に「Tから始まる13桁の登録番号」が書かれているかどうかです。

これまでも、請求書には「税抜金額」と「消費税額」を書いていましたよね。インボイス制度では、「私は国に消費税を納める手続きをしている、正規の事業者です」という証明である登録番号を請求書に書き込むルールになりました。この番号が書かれた請求書こそが「インボイス」なのです

2. 【建設業の具体例】なぜインボイスが必要なの?

では、なぜわざわざ「登録番号」の入ったインボイスが必要になったのでしょうか。 それは、元請け(発注者)が国に納める消費税の金額が変わってしまうからです。

建設業でよくある「元請け会社」と「一人親方(下請け)」の関係で見てみましょう。

今までの消費税のルール(インボイス制度前)

元請け会社が、一人親方に外注費11万円(報酬10万円+消費税1万円)を支払ったとします。 この時、元請け会社は「一人親方に消費税1万円を払ったから、自分が国に納める消費税からこの1万円を差し引いておこう」と計算できました。これを「仕入税額控除(しいれぜいがくこうじょ)」と呼びます。

インボイス制度前は、この一人親方が消費税課税事業者か否かは関係ありませんでした。

インボイス制度が始まった後のルール

ここからが重要です。元請け会社が先ほどの「消費税1万円の差し引き」をするためには、一人親方から「インボイス(登録番号入りの請求書)」をもらうことが絶対の条件になりました。

もし、一人親方がインボイスを発行できない場合、元請け会社は払ったはずの消費税1万円を差し引くことができず、元請け会社が代わりにその1万円を国に納めることになります(元請けの負担が増えてしまいます)。どうして元請けの負担が増えるのかわかりにくいと思うので、GPTくんに図で説明してもらいました。下請け業者が免税事業者であることが前提となっています。

わかりますでしょうか、元請けが支払う税額、インボイス開始前は8千円だったものが1万円になっていますよね。元請けからすると、下請けは2000円消費税を受け取っているのに、その2000円を国に払う必要はなく(免税事業者だから)でも元請けはお客様からお預かりした消費税は国に納めないといけないので・・・不公平じゃない?と思われやすいです。

だからこそ、元請け会社は下請けの業者や一人親方に対して「インボイスを発行できますか(登録していますか)?」と確認をしているのです。

もちろん事前に話し合い、免税事業者の場合は消費税は請求しないでもらう。上の図の例で言うと、下請けは20000円しか請求しませんとしている場合もあり、それで折り合いがついていればよいですが、

そうすると今度は下請けが、消費税はもらっていないけれど、現場で使うために購入した資材には消費税払うよね・・・僕が損してない??となりますよね。当然です。

誰もが損をしないようにするには全員インボイスを発行し消費税を納税しましょうという事なのだろうと思います。

ちなみに、うちの会社の場合どうしているかというと、免税事業者が消費税を請求してきても、消費税も含めて支払っています。免税事業者の下請けさんの中には一部気を使って、消費税を請求してこない方もいらっしゃいますが、経費には消費税がかかると思うので、その分値上げしてくださいねとお伝えしています。どちらかというと損をしている方なのかもしれませんが、下請けさんが圧に感じるようなことをして良いことがあるとは思えないという社長の考えですね。

3. インボイスを発行するための条件

インボイス(登録番号入りの請求書)は、誰でも勝手に発行できるわけではありません。 発行するためには、税務署に申請をして「課税事業者(かぜいじぎょうしゃ)」になる必要があります。

課税事業者とは、「受け取った消費税を、ちゃんと国に納付します」と約束した事業者のことです。 売上が年間1,000万円以下の小規模な会社や一人親方さんは、これまで消費税の納付が免除される「免税事業者(めんぜいじぎょうしゃ)」であることが多かったと思います。

元々課税事業者だった方は当然インボイスを発行することになりますが、免税事業者だった方は免税事業者のままでいるか、それとも課税事業者になってインボイスを発行できるようにするか。これが、現在多くの建設業者さんが悩んでいるポイントなのではないかと思います。

まとめ:インボイスは元請けと下請けの「消費税のバトンパス」

最後に、インボイス制度の基本ポイントをおさらいしましょう。

  • インボイスとは「Tから始まる登録番号」が書かれた請求書のこと
  • 元請けが消費税を正しく計算(差し引き)するために必要になる
  • インボイスを発行するには税務署への申請が必要(売上1,000万円以下でも可能)

自社がインボイスを発行する側になるのか、それとも受け取る側の処理が必要になるのかによって、事務の対応も変わってきます。受け取りもするし、発行もしますというケースももちろんありますよね(うちの会社もそうです)

まずはこの基本を押さえて、毎月の請求処理や取引先との相談に役立ててくださいね!

この記事内にたくさん出てきた仕入れ税額控除について、詳しくは図解付きで↓の記事で解説していますのでぜひ読んでみてください

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