労務費率とは?建設業の労働保険計算の基本をやさしく解説

労務費率とは何か

労務費率とは、請負金額のうち「人件費に相当する割合」を示したものです。

建設業の労働保険では、実際の賃金ではなく、

「請負金額 × 労務費率」

で賃金総額を計算します。このことは別記事一括有期事業とは?の記事でも説明しています。

この仕組みにより、工事ごとの細かい賃金管理をしなくても、保険料の計算ができるようになっています。


なぜ労務費率を使うのか

建設業は、

・工事ごとに条件が違う
・外注や応援が多い
・賃金の把握が難しい

といった特徴があります。

例えば1か月のうち、A・B・C3つの現場があり、社員aさんは1日から3日までA現場でクロスのはがし作業を行い、その後C現場で作業。社員bさんが5日から9日昼過ぎまでA現場でクロスを貼り、その後からはb現場へ、C現場には下請けの塗装やさんが3日間塗装に入って・・・その後A現場の塗装も半日入ってもらって・・現場ってざっくりこんな感じですよね

さあ、今月のA現場の人件費はいくらでしょう と言われても、賃金を現場に入った日にちで割るとしても、下請けさんの賃金なんて知らないし、社員だって1日のうち複数現場を回ることもあり、計算しろなんて言われたら頭を抱えます。

そのため、実際の賃金をすべて集計するのではなく、あらかじめ決められた割合で計算する仕組みが採用されているというわけですね。


労務費率の使い方

労務費率は、以下のように使います。

例)
請負金額:500万円
労務費率:30%(計算しやすいから仮に30%としています)

→ 賃金総額:150万円

この労務比率から計算した現場の賃金総額(この場合150万円)に労災保険率をかけて労働保険料を計算します。


業種ごとに労務費率は違う

労務費率は一律ではなく、工事の種類によって異なります。

主なものは以下の通りです。

・水力発電施設、ずい道等新設事業   19%
・道路新設事業  19%
・舗装工事業 17%
・鉄道又は軌道新設事業 19%
・建築事業(既設建築物設備工事業を除く) 23%
・既設建築物設備工事業 23%

これは2026年現在の労務費率です。今後改正されることもあるかもしれませんので、必ず厚生労働省ホームページで労務費率のPDFをダウンロードできますので確認してください。


年度更新との関係

一括有期事業を行っている場合、年度更新では以下の流れになります。

・請負金額を合計
・労務費率をかける
・賃金総額を算出

この賃金総額をもとに、確定保険料と概算保険料を計算します。

流れについては
→「建設業の労働保険年度更新の流れ」記事で解説しています


よくあるミス

古い労務費率を使ってしまう

労務費率は変更されることがあるため、毎年確認が必要です。とはいえ、しょっちゅう変わるものではないと思います。私がこの業務に携わってからは変わっていません。

ただ、それこそが落とし穴ですよね。どうせ変わらないだろうと思わず手続き前には必ず確認するようにしましょう。


工事内容と違う率を使う

実際の工事内容に合っていない率を使うと、保険料にズレが出ます。


まとめ

労務費率とは、

・請負金額から賃金総額を計算するための割合
・建設業の労働保険に欠かせない仕組み

です。

この考え方を理解しておくと、年度更新の計算がスムーズに進みます。

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