昨日詳しく解説した、労働局から届いた「労災保険の調査書類」を読んでいると、こんな言葉が出てきますよね。
『特定の工事現場に付随しない業務』

「文字面はなんとなく分かるけれど、うちの日々の作業に当てはめると、一体どれが該当するの?」と頭を悩ませている担当者の方も多いはずです。
特に、書類に記載されている以下の4つの項目。
- 土場・資材置き場等での整理作業
- 見積書作成のための現場状況確認
- 事業として行わない防災・災害復旧・除雪作業
- 所属事業場(事務所など)の修繕作業
これらは、日々の「現場の労災(一括有期)」でカバーできるのか、それとも「事務所の業務」として継続事業として別途労災の手続きが必要なのか。現場のリアルな実務例を挙げながら、分かりやすく解説します!
そもそも「特定の工事現場に付随しない業務」とは?
超シンプルに言うと、「特定の工事現場の労災保険(一括有期事業など)の対象に『できない』業務」のことです。
建設業の現場作業中にケガをした場合、通常はその「現場の元請労災」を使います。 しかし、「特定の現場と紐付いていない作業」の最中にケガをした場合、現場の労災は使えません。 これらが「特定の工事現場に付随しない業務」となり、もし人を雇ってこれらを行わせる場合は、事務所(本店)単独での労災加入(継続事業)が必要になります。
では、書類にある4つの疑問を1つずつ紐解いていきましょう!
【項目1】土場・資材置き場等での整理作業
「土場で材料加工して現場に持っていく場合はどうなるの?」
❌ 該当しない(現場に付随する)ケース:とある現場の材料を土場で切る
例えば、「明日から始まるA様邸の現場で使う木材を、前日に自社の土場でカットしておく」という作業。 これは土場で行う作業ですが、目的が「A様邸の工事のため」とはっきりしていますよね。そのため、これは特定の工事現場に付随する業務となり、現場の労災の対象になります(この項目には当てはまりません)。
⭕️ 該当する(付随しない)ケース:普段の土場の片付けや在庫整理
「特にどこの現場で使うわけでもないけれど、土場が散らかってきたから片付ける」「余った資材を整理・備蓄する」といった作業。 これは特定の現場と一切紐付いていないため、「特定の工事現場に付随しない業務」に該当します。
これって難しくないですか?土場に出入りしてるだけで付随しないケースになってしまいそうな気もします。だって、ゴミが落ちてたら拾うくらいするよね。基本うちの従業員さんは土場ではクロスの糊付けとか、おいてある資材を取りに来るとか、現場から引き下げてきたストーブの分解整備をするとか(現場でやると現場が汚れるから)、特定の現場を想定した作業しか行いません。でも、土場に出入りする以上、落ちていたものを拾うくらいはするだろうし、現場で余った資材を土場に置きに来る時にきちんと並べて置いておくくらいはします。
これに関してgeminiに聞いてみたところ
現場の労災対象: 現場を片付けて、土場に帰ってきてトラックから資材を降ろす(荷下ろし)まで。これは「現場の撤収作業」の一部とみなされます。
特定の現場に付随しない業務: 降ろした資材を、**「次の現場や将来のために、土場の棚に綺麗に並べて整理・備蓄する」**作業。荷下ろしが終わった後の整理整頓は、完全に「会社全体の在庫管理」になるため、今回の項目に該当します。
by Gemini
だそうです。 じゃあ、資材を下すときはあくまで荷下ろしで適当に置いておけば対象にならないと・・・?
なんだか納得いかないなーーーと思ったのは私だけでしょうか?疑り深い私のような人間は 二重に保険料を取ろうとしてない??って思っちゃいますねえ
【項目2】見積書作成のため取引先の現場状況確認
「これって工事現場に行っているから、現場の労災じゃないの?」
⭕️ 該当する(付随しない)ケース:受注前の現調(現地調査)
見積もりを作るために、「まだ契約もしていないし、着工もしていない現場」の下見に行く作業です。 まだその現場の工事自体の労災(保険関係)が成立していない状態ですので、当然その現場の労災は使えません。そのため、現調や見積もり作成のための外出は「特定の工事現場に付随しない業務」になります。
※もし、すでに着工している自社の現場で、追加工事の見積もりのために現地に行く場合は「現場に付随する業務」とみなされるそうです。
【項目3】事業として行わない防災対策作業や災害復旧作業・除雪作業
「災害なんて起きていない時は?現場の除雪はどうなる?」
❌ 該当しない(現場に付随する)ケース:工事現場内の除雪
「A現場の作業を進めるために、今朝は職人総出で現場の雪かきからスタートした」という場合。 これは工事を安全に行うための現場作業そのものですから、現場の労災の対象になります。
⭕️ 該当する(付随しない)ケース:自社オフィスの除雪や、ボランティアでの災害復旧
- 除雪: 「現場」ではなく、自社の事務所の入り口や駐車場の雪かきをする場合。これはどこの工事現場とも関係のない、事務所を維持するための作業です。
- 防災・災害復旧: 台風や地震などの災害が起こった際、自社の事業(仕事)として請け負った復旧工事ではなく、「地域のボランティアや、自主的に自社周辺の片付け・泥かきを行った」という場合です。当然、特定の現場の労災は使えないため、こちらに該当します。
これ、すごく気になったのでまたGeminiに聞いてみました。
今は災害は起こっていないけど、災害がもし起こった時は従業員さんは土場の片付けとか手伝おうとしてくれる思うの。このまだ起こっていないけど だろうでも該当になる? Geminiの回答は
🤔 迷いやすいポイント:「今は災害なんて起きていないけど?」 書類を見て「今は大きな災害なんて起きていないし、関係ないや」と思ってしまうかもしれません。しかし、労災保険は**「将来の可能性(リスク)」**で判断します。
今は災害が起きていなくても、**「もしもの災害時、従業員に会社の土場の片付けや防災対策を手伝ってもらう予定がある(当然手伝うだろう)」**という場合は、この業務が存在するとみなされます。
- 役員(社長やあなた)だけで片付ける予定: 新たな加入は不要です。
- 従業員(職人や事務員)にも手伝ってもらう予定: 事務所としての労災加入の対象(特定の工事現場に付随しない業務がある)となります。
マジ?私昨日サクっと
現場付随以外の業務は役員のみだけです、現場分は一括有期事業で申告済み
として返信しちゃったけど、うちの従業員さんは災害があっても会社の片付けを手伝わない人なんだね・・・
ってことになっちゃってる?でも、実際従業員さんは、手伝おうとはしてくれるだろうけど、災害が起きたら土場に来れないと思うの・・・。じゃあ、どっち?ますます迷いますね。
【項目4】所属事業場の修繕作業
「自社の事務所を直す作業ってこと?」
⭕️ 該当する(付随しない)ケース:自社オフィスや倉庫のDIY・修繕
例えば、「事務所の棚が壊れたから大工仕事で直す」「自社倉庫の屋根から雨漏りしているから、空き時間に自分たちで修理する」といった作業。 自社の持ち物(所属事業場)を修繕する作業は、どこの顧客の工事現場とも関係がありません。したがって、これも「特定の工事現場に付随しない業務」になります。
まとめ:あなたの会社は手続きが必要?不要?
今回の労働局からの調査において、これらの業務を「労働者(雇っている従業員やパート)」が行っているかどうかが運命の分かれ道です。
- 役員だけで行っている: 役員はもともと通常の労災の対象外ですので、これらの作業を行っていても、新しく労災保険に加入する必要はありません。「事務所業務は役員のみのため免除」と回答すればOKです。
- 事務員(雇用している従業員)が少しでも行っている: もし雇っている事務員さんが「事務所の掃除や除雪」「見積もり作成」を行っている場合は、事務所としての労災保険(二元適用事業の事務部門)の成立手続きが必要になります。
迷ったら「どこの現場の労災を使えるか」で考えよう!
建設業の労災は、現場と事務所で複雑に分かれているため非常にややこしいですが、「その作業中にケガをしたら、お客様の現場の労災で落とせるか?」を基準に考えるとよいと思います。(私は正直すっきりしてませんが)
手紙の回答書を書く際の参考にしてみてくださいね。不明な点があれば、まずは同封されている北海道労働局の窓口や、お近くの労働基準監督署に「うちは役員だけで事務所業務をしています」と直接相談してみるのも確実でおすすめです!
私もちょっとまだ不明点があるので、連休明けにでも問い合わせてみようかなって思ってます。
めんどくせーやつと思われそうですが・・・。何かわかったことがあったらまた追記したいと思います。


