安全協力費の基本と何に使われているのか?
まずは、安全協力費とは何か?という点から見ていきましょう。
建設現場では、事故や怪我を防ぐためにさまざまな安全対策が行われています。この安全対策は元請会社だけで行うものではなく、現場で働く下請業者さんや職人さんみんなで協力して進めるものです。
そのため、安全対策にかかる費用の一部を下請業者さんにも負担・協力してもらう目的で設定されて元請けが徴収するのが「安全協力費」です。
と説明しましたが、うちの会社は下請けさんから安全協力費を徴収したことがなく、逆に徴収されたことはある側なので、調べて書いていてなるほど・・という感じです。
具体的には、次のような安全活動や備品の購入・維持に使われているのだそうです。
- 安全衛生協議会や安全大会の運営費用
- 現場の安全標識、看板、危険予知(KY)活動用シートの作成費用
- ヘルメット、安全帯、熱中症対策グッズなどの安全備品の購入(この辺りは下請けが自分たちで持っていそうですから徴収されるのはどうかという気もしますが・・・ヘルメットは現場によっては支給品を着用する必要があるケースも結構あります)
- 現場の安全パトロールや指導にかかる費用
現場全体の安全レベルを高め、職人さんたちが安心して働ける環境づくりのために役立てられています。
安全協力費の相場はどれくらい?
「安全協力費って、いくらくらい引かれるのが普通なの?」と疑問に思いますよね。
安全協力費の金額や算出方法は会社や現場によって異なりますが、一般的には次のような相場やパターンが多いようです。
1. 請負金額に対する「定率(パーセンテージ)」
最も一般的なのが、工事の請負金額(出来高)に対して一定の割合を設定するパターンです。私個人的にこの計算の仕方大嫌いです。手数料とかもこのような計算で請求されること多いですが、この金額であるという根拠が薄くないですか?
話がそれました。相場の話に戻ります。だいたい↓のような感じだそうです。
- 相場:請負金額(税抜または税込)の 0.1%〜0.5%程度(高くても1%以内)
たとえば、100万円の工事で0.3%の場合、安全協力費は3,000円となります。
2. 月額や現場ごとの「定額」
現場への入場期間や月単位で「1ヶ月あたり〇〇円」「1現場あたり〇〇円」と一律の金額が設定されるパターンもあります。また個人的意見を書いてしまいますが、私こっちの方が全然納得できますね。
それはさておき、
注意点として、安全協力費はあらかじめ元請会社と下請会社の間で合意(契約)されている必要があります。契約書や見積書に記載がないのに一方的に差し引かれている場合は、元請会社に確認してみましょう。
経理担当者必見!安全協力費の会計処理と仕訳
事務担当者さんや一人親方さんが一番頭を悩ませるのが、「会計ソフトにどう入力すればいいの?」という点ですよね。
安全協力費は、元請会社から工事代金が振り込まれる際、請求金額からあらかじめ差し引かれて入金される(相殺される)ことがほとんどです。
具体的な仕訳の考え方を見ていきましょう!
使う勘定科目は何?
安全協力費を処理する際の勘定科目は、主に以下のものが使われます。
- 「安全協力費」(独立した科目を作る場合)
- 「支払手数料」(一般的な経費として処理する場合・うちはこれを使ってます。)
- 「雑費」(金額が小さく発生頻度が少ない場合)
社内で管理しやすい科目を選べば問題ありませんが、毎度書いていますが一度決めた科目は途中で変えずに使い続けるのがルールです。
具体的な仕訳例(相殺されて振り込まれた場合)
例えば、100万円(税込)の工事代金を請求し、安全協力費3,000円が差し引かれて997,000円が口座に振り込まれた場合
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
| 普通預金 | 997,000円 | 売掛金(完成工事未収入金) | 1,000,000円 |
| 支払手数料 | 3,000円 |
このように、実際に口座に入った金額だけでなく、差し引かれた3,000円も「支払手数料(または安全協力費)」として計上し、売上(売掛金)の全額と相殺させる形で入力します。こうすることで、正確な売上高と経費を把握できます。
消費税の扱いはどうなる?(インボイス制度の注意点)
安全協力費の消費税区分は、基本的に「課税仕入(課税取引)」として扱います。
ただし、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まってからは注意が必要です。
元請会社から「安全協力費の領収書」や「相殺通知書(適格請求書の要件を満たしたもの)」を発行してもらうか、相殺内容が明確に記載された支払明細書を保管しておく必要があります。
後から税務調査などで確認されたときに困らないよう、差し引かれた証拠書類はしっかりファイリングしておきましょう!
まとめ:安全協力費を正しく理解してスムーズな処理を!
今回は、建設業のバックオフィスでよく登場する「安全協力費」について解説しました。
- 安全協力費とは:現場の安全対策や活動を維持するために下請会社が協力・負担する費用
- 相場:請負金額の0.1%〜0.5%程度(または定額)
- ポイント:振り込み時に相殺されることが多いため、勘定科目(支払手数料など)を使って正しく仕訳する
一見「引かれて損をしている」と感じてしまうかもしれませんが、安全協力費は現場で働く職人さんたちの命と安全を守るための大切な資金です。

