一括有期事業とは?建設業の労働保険の基本をやさしく解説

一括有期事業とは何か

一括有期事業とは、建設業などの短期間の工事をまとめて、ひとつの事業として扱う制度のことです。

通常、労働保険は事業ごとに加入・申告を行いますが、建設業では工事ごとに手続きをしていると管理が非常に大変になります。

そのため、一定の条件のもとで複数の工事をまとめて処理できるようにしたのが「一括有期事業」です。


なぜこの制度があるのか

建設業(特に私が所属している会社のような中小規模の建設業者)の仕事は、以下の特徴があります。

・工事ごとに期間が短い
・現場が毎回変わる
・案件数が多い

このような事情から、工事ごとに労働保険の手続きを行うのは現実的ではありません。そんな事させられたら正直私一人でバックオフィスの仕事をすべてこなすのは無理です。

そこで、1年間の工事をまとめて申告できる仕組みとして、この制度が使われています。


一括有期事業の対象になる工事

すべての工事が対象になるわけではありません。

一般的には、以下のような工事が対象になります。

・請負金額が一定額未満の工事(税抜き1億8000万円未満/1現場)
・1現場あたりの概算保険料が160万円未満であること

※条件は業種(林業の方はちょっと違います)や年度によって変わることがあるので、毎年の確認が必要です。


労働保険との関係

労働保険はざっくりいうと、雇用保険+労災保険を合わせた言い方です。

一括有期事業はこの2つのうち労災保険に関係する部分です。雇用保険の年度更新では、従業員の賃金で保険料を算出しますが、建設業の一括有期事業に関しては工事ごとの賃金ではなく、

「工事の請負金額 × 労務費率」

で賃金総額を計算します。

この金額をもとに、労働保険料を算出する仕組みです。工事ごとに従業員の賃金を割り出すなんて難しいですから、このようになったのだと思います。


年度更新の際の作業

一括有期事業を行っている場合、年度更新では以下の作業が必要になります。

・対象期間の工事をすべて集計
・請負金額を合計
・労務費率をかけて賃金総額を算出

この流れについては、
→「建設業の労働保険年度更新の手続き」記事で詳しく解説しています


まとめ

一括有期事業とは、

・建設業の工事をまとめて管理する制度
・労働保険の手続きを簡略化する仕組み

です。

この考え方を理解しておくと、年度更新の作業がスムーズになります。

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