人員不足 最近よく聞くようになりましたね。「求人を出しても応募が来ない」「せっかく採用した若手がすぐに辞めてしまう」という声は、建設業では前からよく言われていたと思います。
体力仕事 つらい 汚い などマイナスのイメージが強いからでしょうか。
そんな苦労しがちな人材確保の問題を解決できる方法の一つが「実用的な福利厚生」だと思います。
大企業のような豪華な制度を用意する必要はありません。大きな会社がやっているからと言って自社も同じようなことを試しても建設業界で働きたい人にはマッチしないことも多いです。
今回は、建設業特有の悩みに寄り添った「本当におすすめできる福利厚生」をわかりやすくご紹介します。また、人員は少ないですが離職率は非常に低い私が所属する会社が取り入れている福利厚生も紹介したいと思います。
福利厚生について詳しくは↓の記事を読んでみてください。
なぜ今、建設業で福利厚生が重視されているのか?
「福利厚生」とは、会社が給料とは別にスタッフやその家族に提供する「給与以外のサポート全般」のことです。
以前の建設業界では「稼げるかどうか」が重視されがちでした。しかし、今の若い世代や転職希望者は「安心して働ける環境かどうか」をとても大切にしています。
私の会社のような内装を中心にしている会社はそうでもないのですが、土木関係・外回りの作業中心の会社さんは、どうしてもキツイとか汚れるというイメージは強いですよね。
そういったイメージがあってもなお、働くことにメリットがある。そう思ってもらうための一つの方法として福利厚生の充実は大切です。
福利厚生を充実させるとどんなメリットがあるかまずは考えてみましょう。
1. 採用力(求人応募数)がアップする
求人票に「〇〇手当あり」「資格取得支援制度あり」と書かれているだけで、求職者の目は止まりやすくなります。同じ日給や月給の会社があれば、福利厚生が手厚い方が選ばれるのは当然ですよね。
2. 離職防止とエンゲージメント(会社への愛着)の向上
身体が資本の建設業において、体調面のサポートや将来への不安を和らげる制度があると、スタッフは「社長は自分たちを大切にしてくれている」と感じます。これが会社への信頼に繋がり、定着率が高まります。これは私が自分が所属している会社でとても感じる点です。社員さんへのサポートが手厚いことで社員さんも会社のことを真剣に考えてくれていると感じます。
3. 節税効果が期待できる
一定の条件を満たした福利厚生費は、会社の「経費(損金)」として計上できます。つまり、節税しつつスタッフに還元できるという、会社にとっても嬉しいメリットがあります。
建設業に本当におすすめしたい福利厚生7選
建設業の現場ならではのニーズに合わせた、満足度の高いおすすめ制度を7つまとめました。タイトルの最後に★マークがついているものは私が所属している会社でも実際に取り入れている福利厚生になります。
1. 資格取得支援制度(講習費・受験料の全額/一部補助)★
建設業で最も喜ばれ、かつ会社の売上にも直結するのがこの制度です。
- 具体例:施工管理技士、玉掛け、クレーン、足場組立、簿記などの資格取得費用を会社が負担する。*うちの会社の場合希望により国家資格の表装技能士の取得を支援しています。
- ポイント:スタッフのスキルが上がれば現場の対応力も高まるため、会社・本人の双方に大きなメリットがあります。
2. 中退共や建設業退職金共済(建退共)や確定拠出年金(iDeCo/企業型DC)★
建設業の職人さんが抱きがちな「将来の年金や退職金への不安」を解消する制度です。建設業は体を使う仕事が多いので、いつまで仕事できるだろうと心配される方も多いですよね。当然です。
- 具体例:建退共(共済手帳に証紙を貼る退職金制度)への加入や、企業型の退職年金制度の導入。
- ポイント:掛金は全額非課税・経費扱いになることが多いため、小規模な事業者様でも導入しやすいのが特長です。
3. 健康診断・人間ドックの受診費用補助(オプション検査含む)★
身体が資本の職人さんにとって、健康管理は命の次に大切です。
- 具体例:年1回の法定健康診断はもちろん、腰痛・熱中症予防の講習や、がん検診・腰椎レントゲンなどのオプション費用を補助する。 *私が所属する会社はバリウムから胃カメラに検査内容を変更する際にかかる追加料金を会社負担、来年からオプション費用も限度額を設けて補助してくれるそうです
- ポイント:「現場が忙しくて病院に行けない」を防ぐため、受診日を特別手当や勤務時間扱いにする配慮も喜ばれます。私が所属する会社もそうで、受診日は勤務時間扱いです。でもこれって普通な気がしますが・・・。
4. 業務災害保険の特約上乗せ(ケガ・怪我への備え)★
労災保険(国の制度)だけではカバーしきれない、休業時の補償や通院費を補う民間保険への加入です。
- 具体例:現場での事故によるケガで働けない期間の収入補償(休業補償特約)をセットにする。
- ポイント:特に高所作業や重機を扱う現場が多い会社では、スタッフのご家族に安心感を与える強力な武器になります。
うちの会社の場合、建設業の賠償責任保険でお世話になっているAIGさんの担当の方から紹介頂き、役員含む従業員全員の入院保障を特約でつけています(たぶん特約)。病気などで入院をする際の入院費が全額保険で賄われるというもので、すごくありがたい保険だと思います。もちろん掛け金は会社負担です。また、その保険には色々な福利厚生サービスが付帯していて(無料健康相談やメンタルケアカウンセリングサービスなど)従業員なら無料で使うことができるんです。最高だと私は思ってます。
もし、AIGさんの企業用保険に加入していらっしゃる会社さんであれば一度担当の方にご相談してみることを強くお勧めしますね。
5. 作業着・安全靴・熱中症対策グッズの全額支給★
地味に思えるかもしれませんが、実は現場スタッフから一番感謝されるのが道具や衣類の支給です。
- 具体例:ファン付きウェア(空調服)、防寒着、安全靴、ヘルメット、経口補水液や塩分タブレットの常備。
- ポイント:年間で数万円かかる自己負担を会社が肩代わりしてくれるため、手取りが増えたのと同じ実質的な効果があります。
私が所属する会社の場合毎年夏・冬2回 一人各1万円まで作業服負担 作業服は自分で選べます。それと夏場の水と塩分タブレットの支給があります。
6. 食事手当・飲料サポート
体力を使う建設現場において、毎日の昼食代や飲み物代のサポートはダイレクトに効きます。
- 具体例:一定額の食事手当を支給する、現場にドリンクサーバーやクーラーボックスを設置して飲み物を自由に飲めるようにする。
- ポイント:条件を満たせば「食事手当」も非課税扱いにできるため、節税策としても有効です。
7. アウトソーシング型「福利厚生代行サービス」の利用
「自社で個別に制度を作るのは大変」という小規模会社様におすすめなのが、月額数千円〜利用できる代行サービスです。
- 具体例:ベネフィット・ステーションやFukuricoなどのサービスを導入する。
- ポイント:スタッフが全国の映画館、旅先、ジム、飲食店の割引を受けられるようになります。社員さんが多い会社などはそれぞれの社員さんの趣味趣向も違いますからみんなが喜ぶものを・・・というのは難しいですが、こういったサービスを使うと各々が選べるのが良いと思います。
失敗しない!福利厚生を導入する4つのステップ
「福利厚生を導入したいけれど、何から始めればいいか分からない」という社長様は、次のステップで進めてみてください。
ステップ1:スタッフのニーズを聞く(アンケート・雑談)これ重要
↓
ステップ2:予算と運用ルール(全社一律の基準)を決める
↓
ステップ3:就業規則や社内規定に明記する(きちんと書類化しましょう)
↓
ステップ4:社内に周知し、求人票にも記載する
ステップ1:スタッフのニーズを聞く
社長が「これが良いはずだ」と思い込んで導入しても、現場で使われなければ意味がありません。「資格を取りたいか」「健康診断を充実させたいか」など、現場の生の声をまず聞いてみましょう。
ステップ2:予算と運用ルールを決める
「誰に」「どのような条件で」支給するかを明確にします。全員に公平に適用されるルールにしないと、税務署から「福利厚生費」と認められず、ただの「給与(課税対象)」と判定されてしまう場合があるので注意が必要です。
ステップ3:就業規則や社内規定に明記する
トラブルを防ぐためにも、導入する制度は社内規定(福利厚生規定など)に文章として記載しておきましょう。
ステップ4:社内に周知し、求人票にも記載する
せっかく作った制度も、スタッフが知らなければ使えません。朝礼や社内連絡で周知し、採用活動では求人票にしっかりアピールしましょう。
まとめ:小さな施策から始めて「選ばれる会社」になろう
建設業における福利厚生は、ただの「コスト」ではなく、将来の会社を支える「人材への投資」です。
- まずは安全靴や空調服の全額支給から始める
- 資格取得の費用を一部負担してみる
このような小さな一歩からでも構いません。「うちの会社は自分たちを大切にしてくれている」という安心感が伝われば、職人さんのモチベーションは確実に変わり、会社の雰囲気もガラリと良くなります。
ぜひできることから一つずつ、自社に合った福利厚生を取り入れてみてくださいね。


