メリット制とは?
メリット制とは、労災保険の保険料を、過去の労働災害の発生状況に応じて増減させる制度です。
労働災害が少なく、安全管理が適切に行われている事業場では労災保険料が割引される一方、労働災害が多い事業場では保険料が割増になることがあります。
つまり、「安全管理に取り組んでいる事業場ほど保険料面でメリットがある」ことから、「メリット制」と呼ばれています。
メリット制の目的
労災保険は、業種ごとに保険料率が定められていますが、同じ業種でも労働災害の発生状況には差があります。
そこで、各事業場の実績を保険料に反映させることで、
- 労働災害の防止意識を高める
- 安全管理への取り組みを促進する
- 保険料の公平性を確保する
ことを目的としてメリット制が設けられています。
メリット制の対象となる事業
すべての会社がメリット制の対象になるわけではありません。
対象となるのは、一定の要件を満たす事業です。
- 継続事業で一定規模以上の事業
- 一括有期事業で一定規模以上の事業
- 単独有期事業で一定規模以上の事業
などが対象となります。
事業の種類や労働保険料の額などの条件を満たした場合に適用されます。この件は建設業にとてもかかわりがあり、かつ詳しく説明した方が良いと思うので、別の記事で説明しています。読んでみてください
建設業とメリット制
建設業は労働災害のリスクが比較的高い業種であるため、メリット制が関係するケースが少なくありません。
特に、
- 一括有期事業
- 単独有期事業
では、一定の条件を満たすとメリット制の対象となる場合があります。
そのため、安全管理への取り組みは、従業員の安全を守るだけでなく、将来の労災保険料にも影響する可能性があります。
メリット制のメリット
メリット制には、次のようなメリットがあります。
労災保険料が軽減される可能性がある
労働災害が少なく、安全管理が良好な事業場では、労災保険料が軽減されることがあります。
保険料の負担が軽くなることで、会社の経営にもプラスになります。
安全管理への意識が高まる
保険料が労働災害の発生状況に影響するため、
- 安全教育
- KY活動(危険予知活動)
- 保護具の着用徹底
- 熱中症対策
などに積極的に取り組むきっかけになります。
職場環境の改善につながる
安全対策を継続することで、事故の減少だけでなく、従業員が安心して働ける職場づくりにもつながります。
メリット制のデメリット
一方で、労働災害が多く発生した場合には、労災保険料が割増になる可能性があります。
ただし、労災事故が1件発生しただけで必ず保険料が上がるわけではありません。
保険料の増減は、過去の保険料や保険給付額などをもとに算定される「収支率」によって決まります。
メリット制と労災事故の関係
「労災事故を隠せば保険料が上がらないのでは?」と考える方もいますが、これは大きな誤りです。
労災隠しは法律違反であり、罰則の対象となる場合があります。
事故が発生した際は適切に労災手続きを行い、その後の再発防止に取り組むことが重要です。
まとめ
メリット制とは、労働災害の発生状況に応じて労災保険料が増減する制度です。
安全管理に積極的に取り組むことで、保険料が軽減される可能性がある一方、労働災害が多い場合は保険料が割増になることがあります。
建設業では、一括有期事業や単独有期事業などでメリット制が関係するケースもあるため、制度の概要を理解しておくことが大切です。
日頃から安全教育や熱中症対策、保護具の適切な使用などを徹底し、安全で働きやすい職場づくりを目指しましょう。


