メリット制の対象となる条件とは?建設業で適用される会社の基準を解説

年度更新の手続きをしていると、「メリット制」という言葉を見かけることがあります。

ただ、建設業を営んでいるからといって、すべての会社が対象になるわけではありません。

メリット制は、一定規模以上の事業が対象となる制度です。

この記事では、「メリット制とは」の詳しい仕組みではなく、どのような会社が対象になるのかに絞って解説します。

メリット制の仕組みについて知りたい方は、「メリット制とは」の記事もあわせてご覧ください。


メリット制とは?簡単におさらい

メリット制とは、会社ごとの労働災害の発生状況に応じて、労災保険率が増減する制度です。

労働災害が少なければ保険料が下がることがあり、多ければ保険料が上がることがあります。

ただし、この制度はすべての事業に適用されるわけではなく、一定の条件を満たした会社が対象となります。


メリット制の対象となる条件

建設業では、「建設業だから対象」というわけではありません。

事業の規模など、一定の条件を満たした場合にメリット制が適用されます。

主な条件を見ていきましょう。


継続事業の場合

工場や店舗、事務所などの継続して行う事業(継続事業)の場合は、次のいずれかに該当するとメリット制の対象になります。

  • 常時100人以上の労働者を使用している事業
  • 常時20人以上100人未満で、災害度係数が一定以上となる事業
  • 確定保険料が40万円以上となる事業

建設業では継続事業よりも、次に紹介する「一括有期事業」の方が関係するケースが多くあります。


建設業(一括有期事業)の場合

建設業では、多くの会社が一括有期事業として労働保険の年度更新を行っています。

この場合は、確定保険料が40万円以上になることが、メリット制の対象となる一つの基準です。

ここで注意したいのは、

「請負金額が○○円以上なら対象」という制度ではない

ということです。

メリット制は、請負金額ではなく確定保険料によって判定されます。


「確定保険料40万円以上」とはどういうこと?

「確定保険料」と言われても、少しイメージしづらいですよね。

建設業では、一般的に次のような流れで保険料が計算されます。

つまり、請負金額から直接判断するのではなく、計算した結果の「確定保険料」が基準になります。


請負金額が多ければ対象になる?

請負金額が多い会社ほど、確定保険料も高くなる傾向があります。

そのため、

  • 年間数百万円程度の工事が中心
  • 小規模なリフォーム工事が中心

という会社では対象にならないことも多くあります。(うちの会社も対象ではありません。)

一方で、

  • 年間数千万円から数億円規模の工事を請け負っている
  • 元請工事が多い
  • 多くの作業員を雇用している

といった会社では、対象になる可能性が高くなります。

ただし、労務費率や工事内容によって保険料は変わるため、請負金額だけで判断することはできません。


一人親方は対象になる?

一人親方として労災保険の特別加入をしている場合は、基本的にメリット制の対象ではありません

メリット制は、労働者を雇用する事業の労災保険料を調整する制度です。

そのため、一人親方だけで仕事をしている場合は、メリット制について心配する必要はありません。


労働保険事務組合へ委託していても対象になる?

はい。

年度更新などを労働保険事務組合へ委託していても、メリット制の判定基準は変わりません。

対象となる会社であれば、委託しているかどうかに関係なく適用されます。


自社が対象か確認する方法

「うちは対象なのかな?」と思ったら、次の方法で確認できます。

  • 年度更新の申告書や通知を確認する
  • 労働局へ問い合わせる
  • 労働基準監督署へ相談する
  • 労働保険事務組合へ確認する
  • 顧問の社会保険労務士へ相談する

毎年の年度更新書類に対象であることが記載されている場合もありますので、一度確認してみるとよいでしょう。


まとめ

メリット制は、すべての建設会社が対象になる制度ではありません。

建設業では、一括有期事業の確定保険料が一定規模以上になることなどが適用条件となります。

「年間の請負金額が多いから対象」「少ないから対象外」と単純に判断できるものではなく、請負金額から算出された確定保険料などによって判定されます。

もし自社が対象かどうかわからない場合は、年度更新書類や労働保険事務組合、社会保険労務士などに確認してみましょう。

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