建設業の現場や事務所で使う資材・工具の購入、現場への移動で使うガソリン代など、日々の支払いに「法人クレジットカード(ビジネスカード)」を使っている会社も多いのではないでしょうか?
私が所属する会社も法人カード使っています。
カード決済は支払いがスムーズになってとても便利ですが、年に1回かかってくるのが「カードの年会費」です。
「この年会費って経費にしていいのかな?」
「勘定科目は何を使えばいいんだろう?」
と疑問に思っている事務担当者さん結構多いと思います。
結論から言うと、法人カードの年会費は全額経費として落とすことができます。
今回は、建設業のバックオフィスで迷いがちな「クレジットカード年会費の仕訳方法」について、具体例を交えながらわかりやすく解説していきますね。
1. 結論:事業専用カード年会費は全額経費!使える勘定科目は主に2つ
会社名義で作った法人カードや、事業専用で使っている個人事業者向けのクレジットカードの年会費は、事業をスムーズに進めるために必要な費用です。そのため、全額を経費として処理して問題ありません。
使う勘定科目は、一般的に次の2つのどちらかを選べばOKです。
① 支払手数料(おすすめ)
一番よく使われているのが「支払手数料」です。
クレジットカードの決済機能や、優待サービスなどの「特典を利用するための手数料」として考える方法ですね。普段の振込手数料などと同じ感覚で管理できるため、とても扱いやすい科目です。
② 諸会費(または会費)
「クレジットカード会員というステータスやサービスを維持するための会費」として、「諸会費」で処理することもあります。ちなみに先ほど支払い手数料をおすすめとしたのですが、うちの会社は諸会費です。
なぜかというと、年会費 なんだから会費だろ。という安易な私の考えだったのですが、一度その科目を使ったら基本的にはずっと使い続けることになるので、ずーーっと年会費です。会計ソフトで税区分を確認する手間がちょっとあるくらい(後で少し書きますが)で特に困ったことはありません。
もちろん税務上もまったく問題ありません。大切なのは「一度決めた勘定科目を毎年使い続けること」(継続性の原則)です。「去年は支払手数料だったけど、今年は諸会費にしよう」とならないよう、会社の中でルールを統一しておきましょう。
2. 【具体例】実際の仕訳を見てみよう!
それでは、具体的に現場で発生する金額を使って仕訳の例を見ていきましょう。
たとえば、資材の購入や現場の高速道路代で使っているビジネスカードの年会費「11,000円(税込)」が、会社の口座から引き落とされたとします。
① シンプルに記帳する場合(税込経理や免税事業者の場合)
まずは、一番シンプルな記帳方法です。
| 借方(理由) | 金額 | 貸方(支払い方法) | 金額 |
| 支払手数料 | 11,000円 | 普通預金 | 11,000円 |
※「支払手数料」の部分は「諸会費」で仕分けている場合は諸会費に置き換えて考えてください
② 消費税を分けて記帳する場合(税抜経理の場合)
税抜経理を行っている会社の場合は、消費税を分けて記帳します。
| 借方(理由) | 金額 | 貸方(支払い方法) | 金額 |
| 支払手数料 | 10,000円 | 普通預金 | 11,000円 |
| 仮払消費税 | 1,000円 |
※仮払消費税(かりばらいしょうひぜい):買い物のときに一時的に払った消費税のこと。決算のときにまとめて計算します。
3. ここだけは注意!仕訳のポイント3選
クレジットカードの年会費を処理するときに、間違えやすいポイントを3つまとめました。
① 年会費には「消費税」がかかっています!
ここが一番のうっかりポイントです。
建設業組合の会費やロータリークラブの会費など、一般的な「会費」には消費税がかからない(非課税)ことが多いのですが、クレジットカードの年会費は「課税対象(消費税がかかる)」です。
勘定科目を「諸会費」にした場合、会計ソフトの自動判定で「非課税」になってしまうことがあるので、必ず「課税」になっているか確認してくださいね。←これが先ほど私が諸会費で仕分けするとちょっとだけ手間があるといった部分です。
② 個人カードを仕事とプライベートで兼用している場合
一人親方さんなどで、「個人のカードで現場の工具も買っているし、普段の買い物もしている」という場合があるかもしれません。
この場合、プライベート兼用のカード年会費は全額を経費にすることはできません。
仕事で使っている割合を計算して、その分だけを経費にする「家事按分(かじあんぶん)」という処理が必要になります。
- 例:仕事での利用が約6割の場合
- 年会費10,000円 × 60% = 6,000円だけを経費(事業主貸などで処理)
面倒な計算を減らすためにも、お仕事用のカードとプライベート用のカードは分けて作っておくのがおすすめですよ。
家事按分について詳しくは↓の記事を読んでみてください。
③ ETCカードの年会費も同じ扱いでOK
現場への移動で使っている「ETCカード」の年会費(数百円〜千円程度)がかかる場合も、本体のカードと同じように「支払手数料」または「諸会費」で処理すれば大丈夫です。
まとめ:正しく仕訳けてスッキリ処理しよう!
建設業の法人カード年会費の処理について、大切なポイントを復習しましょう。
- 事業専用カードの年会費は全額経費にできる!
- 勘定科目は「支払手数料」か「諸会費」で統一する
- 消費税がかかる(課税)ので、入力時に注意する
- 個人の兼用カードは家事按分が必要
日々の現場作業や打合せで忙しい時期でも、ルールさえ決めておけばカードの仕訳はとっても簡単です!「毎年この科目で処理する」と決めて、サクッと終わらせてしまいましょう。


